イベント

水曜朝礼

DATE : 2010/10/27
日程:2010年10月20日(水)

 

今週の「水曜朝礼」は
 高校2年副担任の原先生よりお話がありました。

 おはようございます。今日は僕自身が学生だったときのつたない経験から、皆さんにお伝えしたいことをお話したいと思います。

 

高校生は来週の月曜日から、中学生は来週の火曜日から中間試験が始まりますが、皆さんは試験勉強をそろそろ始めていますか?試験勉強をするにあたって、何か目標を持っていますか?目標があるのと、ないのとではやはり集中力ややる気が全然違いますが、目標ってなかなか見つけにくいですよね。

僕は中学生の時にサッカー部に入っていて、中学1年生が終わって春休みに入った部活の時に、友達と何気なく「おまえはどこの高校に入りたいんだ?」というような会話を、中学1年の成績を元に話した場面があったんですね。 今はこうして理科の先生をしていますから、その当時の僕の成績は、理科と数学が、まぁそこそこ。それ以外の科目はぱっとしませんでした。でも、姉が横浜市立南高等学校に通っていたので、何気なく「僕も南高に行きたいなぁ。」とその友達に話したところ、ものすごく人を上から見る目線で馬鹿にするように、「はぁ?南高?おまえのその成績で行けるわけないじゃん。無理無理。諦めろ。」と言われたんですね。 ものすごく頭にきた僕は「見返してやる!」と思い、中学2年になったのをきっかけに「毎日2時間半、予習復習をやる!」と決めました。どうしてもやる気にならない時は、机の椅子と僕自身を縄で縛って固定して、「この縄を2時間半はほどかない!」と決めてやるようにしました。 

最初は勉強方法も分かりません。分からないことだらけでしたが、勉強方法や内容を先生のところに行くと、丁寧に先生が応えてくれて応援してくれる。「学校って、よきライバルとも言える友達や、応援してくれる先生などがいていい所だなぁ。卒業して社会人になっても学校にいたいなぁ。」そんな風に思ったことが、僕がこうして学校の先生になる、最初のきっかけだったように思います。 

 

勉強はすぐに結果が出るとは限りません。なかなかうまくいかずに悩んでいた僕の姿を見て、僕の父がある時、こんな風に言ってくれました。 「クラスに1人や2人は、”こいつにはどうしてもかなわない。”と思うような、成績が優秀な人がいるものだ。でも、その次の3位からビリのどこになるかは、おまえの努力だ。3位~ビリのどの順位にいるかは、おまえの努力が決めるんだぞ。」 その結果、クラスで3位を取る科目も現れたりして、「父の言っていたことは本当だな。」と感じたりしました。皆さんも「3位になるのもビリになるのも自分の努力次第。」「正しい方法で努力すれば、努力は裏切らない。」ということをぜひ頭に入れて頑張ってほしいと思います。 

 

中学1年の時には、僕を馬鹿にするように言ったその友達に腹を立てたものですが、今となっては感謝しています。 皆さんにとっても何がきっかけで、将来の目標が見つかるか分かりません。 学校生活を楽しく過ごすことも大切ですが、時には真面目に友達や親と語り合うことも大切ですし、そういう中から、思いがけず将来の目標が見つかることもあるので、そういう何気ない所にあることに気づく感性を持っていてほしいと思います。  

 

もう1つ、僕自身の経験があります。皆さんはこの学校の「学校案内」やホームページの中で、「学びの共同体」ということが書かれているのを知っていますか? 僕が高校2年生の定期試験直前の放課後、友達と一緒に勉強していた時に、数学を教えてあげたら、普段は僕のことをからかってばかりの友達が真顔で「原から教わって初めて分かった。」と、とても感謝した様子で話してくれました。「自分が教えたことが人の役に立つっていいなぁ。」とうれしく思ったことが、僕が改めて「将来学校の先生になりたい。」と思ったきっかけにもなりました。

僕は理数系だったので、国語が苦手で、その友達から逆に国語を教えてもらいました。 これこそまさに「学びの共同体」なのです。友達どうしで教えあって、お互いがお互いを高めていく。テスト勉強って「1人でやるもの。」と考えると大変です。確かに試験そのものは自分1人で受けるものですし、結果も自分1人について回るものですが、でも、その途中の過程は「共に学ぶ。」なのです。生徒の皆さんも分からないことを自分1人で溜めないで、友達とどんどん質問しあうのが良いと思います。「この問題で悩んでいたのは私だけではなかったんだ。」と思えるだけで、不安がだいぶ和らいで、やる気も増してくると思います。  

 

最後にこれから入試本番を迎える高校3年生に1つ伝えたいことがあります。僕は大学受験で1年浪人しています。現役の時は「もし駄目でも一浪がある。」と、楽観的に考えていましたが、一浪の時の入試直前は本当に精神的にきつかったです。「これで駄目だったら二浪?」というプレッシャーは、経験した人でなければ分からないほどのものだと思います。 そんな時、自分を支えてくれるのは何か。確かに、自分が勉強に集中できる環境を整えてくれて、協力してくれた家族の存在もありますが、最終的に自分を支えてくれるのは自分自身でしかありません。「自分はこれだけ勉強してきたんだ。」という、その勉強量こそが最終的には自分を支えてくれるのだと僕は感じました。 これから本番を迎える高校3年生の皆さんも、これまで努力してきた自分自身や自分自身の勉強量、努力を信じてぜひ合格を勝ち取ってほしいと願っています。 来週からの中間試験、頑張りましょう。