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水曜朝礼(5/18)

DATE : 2011/8/3

5/18の「水曜朝礼」では
高校2年D組担任の塚川先生よりお話がありました。

“「誤答」を大切にして本当の意味での理解を目指そう”

皆さんおはようございます。今年度からこちらで教員をしています塚川岳彦です。
今日は、中間試験の1週間前ということで、勉強の仕方についてお話をさせて戴きたいと思います。
私は数学科の教員なので、数学を題材に話をさせて戴きますが、中学1年生から高校3年生までが対象ということで正直、例題の題材には相当悩みました。悩みに悩んだ結果、小学生で習う”分数の足し算”を例にとって説明させて戴くことにします。
では早速、
1/2+1/3を計算するといくつになりますか?
当然、5/6 ですね。
では、次の疑問に答えることが出来ますか?

疑問)A君の家は、2人の子供のうち1人が男であり、B君の家は、3人の子供のうち1人が男である。
      A君の家とB君の家の子供が集まると5人の子供のうち2人が男である。
以上のことから次の式が成立する。
つまり、
1/2 +1/3=2/5
が成り立つ。

しかし、先程
1/2+1/3=5/6    
であったはずです。
不思議ですね。答が変わってしまいました。
当然、
1/2+1/3=2/5    
は「誤り」です。

どうでしょう?この疑問の「誤り」を正し、このような疑問をもった人を納得させることが出来ますか?
もし、納得させることが出来なければ、残念ですが分数の計算を本当に理解しているとは言えませんよ。
逆に、このような疑問をもった人を納得させることが出来れば、さらに深く理解することが出来ます。
答はこうです。
  「1/2と1/3の”1″の 『大きさが違う 』 のに、違うもの同士を足し合わせているから 」
“おかしなこと”がおこってしまったのです。

≪参考≫
1/2+1/3=2/5
  「1/2」とは「”2つのもの”のうちの”1つ”」ではありません。
 「1/2」とは「”2倍”したときに”1″になるもの」です。  

ですから、教科書では『同じ大きさ』の”1″を使って
“2倍”したときに”1″になる「1/2」と”3倍”したときに”1″になる「1/3」
を足し合わせて
1/2+1/3=5/6
という答になっているのです。

≪参考≫
1/2+1/3=5/6

これはほんの1例ですが、皆さんはこれから試験前に色々と「間違える」と思います。その際、是非 「正しい考え方」 を単に 「覚えるだけ」 ではなく、「間違った答」つまり「誤答」を大切にして、そこから「なぜ間違ってしまったのか?」 ・ 「どうしたら間違った考え方を正しい考え方に出来るのか?」ということをよ~く考えて下さいね。そうすれば、「本当の理解」に近づくことが出来ますよ。

来週からの試験、頑張って下さいね。