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水曜朝礼

DATE : 2011/7/1

「水曜朝礼」では
中学3年B組担任の山岡先生よりお話がありました。

みなさんおはようございます。今年度からこちらで英語を教えています、山岡容子と申します。授業や、廊下で見たことがある人もいるかと思いますが、ぜひみなさんこの機会に声をかけて下されば幸いです。今日私からは「将来の夢、目標」について、自分の経験も交えてお話したいと思います。
 突然ですがみなさん、将来の夢、目標などはありますか?少し思い浮かべてみてください。
 私も今教師としてこの場に立っていますが、ずっと前から教師になりたかったというわけではありませんでした。特に、みなさんのような中高時代は自分が就きたいと思う職業がたくさんありました。
例えば、中学1年のときは、テレビ局のアナウンサーになりたいと思っていました。その時自分に出来ることは何かと考え、とりあえず放送委員になりました。アナウンサーの夢はいつのまにか途中で消えていましたが、高校3年生まで放送委員を続けていたのはテレビ局で働くことへの憧れがあったからでした。
 中学2年からはダンススクールに通っていたので、中学2年や3年の時は、大好きなディズニーリゾートのショーやパレードのダンサーになりたいと思っていました。
 そんな私に転機が訪れたのは高校1年生の時です。学校の交換留学生に選ばれ、オーストラリアへ短期留学をする機会に恵まれました。日本とは違う生活環境で暮らしたり、海外の友達と遊んだり、私にとっては新しいことだらけでした。帰国してからオーストラリアで経験したことを日本にいる家族や友人に伝えたところ、強く興味をもってもらうことができました。その時、世界と日本の架け橋ができる職業に就けたらなと思い、ふと教師という職業が頭に浮かびました。ただこの時は職業の1つとして浮かんだだけで、本格的には考えていませんでした。
 また、高校生になるとどうしても大学のことを考えなくてはいけなくなりました。どうしようと考えていた時、自由が丘の駅でこのようなバッグを手にした大学生を見かけました。これはクラッチバッグといって、中に教科書を入れて持ち運ぶことができます。皆さんビックリされるかもしれませんが、私が大学へ通いたいと思うようになったのは、このクラッチバッグを持った大学生がかっこいいと思い、憧れを抱いたことがきっかけでした。
 大学へ入ってからはアルバイトをすることができたので、小さい頃になりたかった職業であるケーキ屋さんの店員と、個別指導塾の講師を経験しました。私がアルバイトをしていたケーキ屋さんはカフェも併設されていたので、どちらの店員も経験できましたが、私にはケーキを売るより食べる方が向いていると思い、数か月で辞めました。一方、個別指導塾の講師は4年間ずっと続けました。塾に来る生徒の多くが、英語に苦手意識を持っていたため、何とか英語の楽しさを伝えて、異文化に触れるきっかけを与えたいと思い、教師の道を本格的に目指すことにしました。
 ただ、まだこの時もこれまで抱いてきた夢が気になっていたのは確かです。そのため、色々な人に話を聞き、自分自身についてもう1度考え直しました。ディズニーリゾートで働いている方やこの間までやっていたドラマJINのプロデュサー、ダンサーになった友人や自分の母校の先生など、自分が抱いてきた夢に関係する多くの方とお会いしました。そこでもう一度自分に問いかけ、出てきた答えは教師という道でした。
 みなさん、自分が今抱いている夢を無謀なものだと考えていませんか?「夢」というのは手が届きそうで届かないから「夢」だと言う人も中にはいます。ただ私はそうだとは思いません。生きている限り、私たちは何かしらの夢を抱くはずです。その夢が小さくても大きくても叶えられるチャンスはやってきます。
私も数年前に小さな夢を叶えることができました。ここにあるクラッチバッグ、実は私が企画し、販売したものです。KEIO150、WASEDA125と書かれています。これは慶應義塾大学が150周年、早稲田大学が125周年を迎えた時、ちょうど実行委員をやっていたため、その記念グッズとして制作したものです。このクラッチバッグは私の中で高校時代の憧れの品物だったので、いつか自分の手で作りたいと思っており、その願いが叶ったものです。実際に両方の大学で販売されました。
  ここまで聞くと、バッグも売り、教師にもなった現在の私に夢はあるのかと疑問に思う方もいらっしゃると思います。もちろん、今の私にも夢があります。前までとは違って、どの職業に就きたいという夢ではありませんが、日々その夢を実現するべく何をすればよいか考えて行動しています。
 今日私が伝えたいのは、夢を抱いたのなら、意志を強く持って、最後まで諦めないでほしいということです。どんな夢であろうと、自分の意志が強ければ、自ずと道は開けてきます。逆にいえばどんなに優秀であっても、自分の意志がなければ、チャンスも訪れないということです。ただ、今これといった夢がない人も焦る必要はありません。まずは目の前にあることに全力をかけて取り組んでください。きっと自分が熱心に取り組んだことから何か見えてくるものがあると思います。どんなことでも恐れずにチャレンジしてみてください。成功であれ、失敗であれ、皆さんの人生において大きな糧となるはずです。
これで私の話を終わります。ご清聴ありがとうございました。